国宝同時期開催の見学

今奈良、東京、滋賀の三ヵ所で国宝が同時期に公開されています。
国宝「耀変天目」三椀が同時期に公開されるという大変珍しいタイミングです。
12-13世紀の中国南宋時代に福建省の建窯で焼かれた黒い茶碗ですが、窯の中で独特の光彩が生まれ、
「小椀の中の大宇宙」とも言われる無数の星がオーロラをまとって輝く様に見える美しい茶碗です。

国宝「耀変天目」の3点は、大阪市の藤田美術館と東京の静嘉堂文庫美術館と京都市の大徳寺龍光院が所蔵しています。
藤田美術館所蔵品が奈良国立博物館で、東京は静嘉堂美術館で、そして龍光院所蔵品が信楽のMIHO MUSEUMで公開中です。

昨日滋賀県甲賀市信楽町にある MIHO MUSEUM に行って来ました。
土日は約1時間待ちの盛況の様ですが、この日は割と空いていて20分位で美しい茶碗に出逢うことが出来ました。
京都大徳寺の塔頭である龍光院は一般の拝観をされていないため、この「耀変天目」が公開される機会は少ない様です。
かなり照明が落とされた展示スペースに、茶碗はアクリルケースに囲まれて展示されていて、
2人ずつ比較的ゆっくりと四方から、また見る高さも変えて間近で鑑賞することが出来ました。
群青の深い濃紺の中に、無数の星が輝く様が本当に美しい素晴らしい茶碗でした。

会期は3月21日~5月19日まで開催中です。ゴールデンウィークも大変な混雑になるかもしれませんね。
美術館は駐車場に車を置いて、写真の様な美しいトンネルを超えたところに建築されていています。

瀬戸内海の直島の安藤忠雄設計の地中美術館を思い起こすような建築物、
建築設計は、パリのルーヴル美術館のガラスのピラミッド等で世界的に有名なI.M.ペイ氏によるものだそうです。
新緑が眩しくなり始め、しだれ桜も残る琵琶湖の南の自然豊かな地に建つ美しい美術館です。

ゴールデンウィークのひとときの時間に、茶碗の中の小宇宙を楽しみに行かれてはいかがですか?

 

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