今週の休みに、以前「MAKINO LETTER」でご紹介した京都府宮津市にある「こんぴらうどん」さんに久しぶりに行ってきました。(前回の記事は「ココをクリック」)
そのうどんやさんの帰り、一軒の老舗の「お酢屋さん」に立ち寄りました。
随分前、ANAの飛行機の座席に置いてある情報誌「翼の王国」という雑誌でも紹介されていたお店で気になっていましたし、うちの家でも、ここのお酢を使っている事もあって、一度伺いたいと思いながらなかなか行けないでいたのですが、女房の提案で、初めてお邪魔しました。
飯尾醸造さんです。明治26年から、昔からの作り方で「お酢」を醸造、販売されています。
商品の名前が「富士酢」です。
蔵元でお酢を買って帰ろうとお寄りしましたが、工場の見学されますか?と言って頂いたので、二つ返事でお願いしました。写真のような大きなタンクで、「お酢」はゆっくり、ゆっくり手間と時間を贅沢にかけて、「静置発酵法」という方法で作られていました。最近の酢の製造は、醸造用アルコールを用いて短時間に、強制発酵で製造される事がほとんどだという事、米酢という商品でも、米の使用量が少なかったり、輸入小麦やコーンを足して醸造されているものまである事も初めて知りました。
発酵中のタンクを開けて見学させていただきました。
左の写真で蓋を開けたときに立ち上る湯気が見えますでしょうか?右の写真は、その表面の写真です。酵母菌が膜を張っているのが良く分かります。
表面の温度が40度くらいのようでした。
ここの「お酢」の原料は、水とたっぷりのお米と酵母菌だけ。
しかも、そのお米は、全て無農薬のお米しか使用されていません。それも、この地元の棚田で出来たお米だけを使ってお酢は作られています。
契約農家さんと、社員さん達がお米を無農薬で作られて、そのお米で酒を造り、その酒からお酢を作るという徹底したこだわりです。
ここのお酢「富士酢」は、そのままなめても、ツーンと来るいやなアジがしません。一般に売られているお酢は、なんか薬品のようないやな酸っぱさと香りがしますが、富士酢は、まろやかで、表現が難しいですが、嫌な味がしない酸っぱさです。
同じ京都で、こんなにまじめに正直に安全な「食品」を作っていらっしゃる企業様が在る事を知りませんでした。やっぱり、「おいしい」にはその理由がありますネ。
飯尾醸造さんにお邪魔して、本当に感動しました。
ここで工場のお話をお聞きしたり、商品を見せて頂いている間、本当にゆっくり「時間」が流れている事を感じました。この感覚はなんだろう?と思います。
沢山の色々な種類のお酢の商品が並んでいます。商品を見ているうちにパンフレットが目に留まりました。その表紙に当主さんの言葉がありました。この短い文章を拝見した時、さらに揺さぶられるように感動しましたので、ご紹介します。
「明治26年、京都は丹後・宮津で初代が小さなお酢屋を始めました。
日本一のお酢を造りたい―――。その名を富士酢に命名した由来です。
それから百年余り、私は四代目になります。
小さなお酢屋でいい、
自分の良心に照らして恥じないお酢を造りたい―――。
これまでも、これからも、
自分の納得するお酢だけをお届けします。」
心に響く、心に残るすばらしい強くてやさしい言葉です。
私は、もうすっかりファンになってしまいました。
この続きは明日のMAKINO LETTERでお伝えします。
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