オススメの『1冊』

本


最近読んだ本で、オススメの本をご紹介します。


「子どもの近見視力不良」


-黒板は見えても教科書が見えない子どもたち-


高橋ひとみ著 農山漁村文化協会出版


定価1200円です。


仕事柄、毎年何人かの乳幼児の視力発達未熟や、弱視傾向にある子ども達に出会います。


近見指標


それは、保育園の先生からの紹介であったり、検診後に眼科に行かれて弱視治療用のメガネを製作させて頂いたりと色々です。


たまに、もう少し早く発見できたらもう少し視力の発達が見込めた子ども達や、情報不足のために早く治療がスタート出来なかったご両親、保育園の先生方がアドバイスされてもなかなか病院へ相談に行って頂けないご両親の話などなど、・・・・・・・・


子ども達の視力の発達については、かねがね「情報不足」を痛感していました。


単独票「近見視力」という言葉は、なかなか聞き慣れない言葉です。「視力」というと、ほとんどの方がイメージされるのは、5メートル先にある視力表で測定するいわゆる「遠くを見るための視力」の事だと思います。


しかし、子どもは生まれてからすぐに遠くを見る事が必要な訳ではなく、おっぱいやお母さんの顔を見て、だんだんと外の景色や環境に興味が広がっていきます。子どもの発達は、お母さんの深い愛情を受けて、お母さんとの関係から、心と、肌の触れ合い、聴力、近くを見る視力を介して、自分の目の前の世界から少しずつ少しずつ外へ広がっていくものだと思います。


ですから、近くが見えているかどうかがとても大切な事で、遠くの視力だけを測って、「一番大切な近くを見る力」を調べずに過していく事は、非常に理不尽な事だと、ずっと思っておりました。


学校生活でも、現代の生活は「視力」からの情報量が圧倒的です。黒板が見えても、教科書やノートが見にくいことは大変なハンデだと思います。


「近見視力」がとても大切である、というこの本は本当に同感できる事が多々ありました。上の赤い箱の写真は、当店で使用している「近見視力」を測定するための「近見単独視力表」です。お店でも実際に使用しています。


下の写真がその視力表で、この本には簡単に調べる事が出来るようにと、「付録」でこの近見視力表が、「0.3」と「0.5」と「0.8」の三枚が付いています。


ぜひ小さな子どもさんをお持ちのお母さん方だけでなく、保育士の先生方、幼稚園の先生、小学校の先生方や養護教員の方々にも、ぜひご覧頂きたい「一冊」です。


次回は、この本の中身で、おもしろいデータをご紹介したいと思います。


 


 

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